令和2年度予算要求額は一般会計7465億1500万円で前年度比1.6%(116億9200万円)の増となっています。平成30年7月豪雨災害関係予算については119億3700万円と、復旧・復興関連事業の進捗により、本年度に比べ大きく減額となっているものの、依然として本県財政への影響は大きなものとなっています。知事も「非常に厳しい制約の中での予算編成」との認識の上で、「豪雨災害からの復旧・復興と、生き活きプランの総仕上げ、ともに全力で取り組むという、私の強い思いに沿った要求になっている」とされています。令和2年度の予算については、公明党岡山県議団としましても、平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興に全力で取り組むとともに、本県の持続的な発展に結びつけるための予算とすべきと考えており、この度示された予算要求内容を踏まえ、以下のとおり要望させていただきますので、ご高配を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
【平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興関係】
1 被災者の生活再建支援 < 新 >
(1)私立高校等に通う生徒等の保護者負担の軽減について
平成30年7月豪雨災害において被災(床上浸水以上等)された受験生を対象に私立高校等が独自に行っている検定料や入学金の免除について補助などの支援をお願いしたい。
(2)応急仮設住宅入居者転居費用助成事業の対象拡大について
被災者のニーズや課題は常に変化し多様化しており、こうした状況にきめ細かく対応しながら、被災者が希望を持って、安心した生活が取り戻せるよう被災者に寄り添った事業を実施されたい。
2 公共施設の災害復旧
(1)土木施設の復旧(土木施設災害復旧事業、河川激甚災害対策特別緊急事業)
被災した河川、道路、橋梁などの土木施設の復旧を速やかに進めるとともに、更に防災力を高める改良復旧に努めていただきたい。
(2)農林水産施設の復旧(農林水産施設災害復旧事業)
早期の営農再開に向け、速やかな事業実施に努めていただきたい。
【知事直轄・総合政策局・総務部・県民生活部関係】政策
1 新・総合防災情報システム整備事業の推進
防災ポータルサイトのPC版、スマートフォン版ともに信頼性、操作性等を向上させ、PC版の住所情報やスマートフォン版では位置情報等を活用して県民に分かりやすく必要な情報を提供するなど、十分かつ速やかに情報収集・共有機能の強化を図り県民の生活財産を守る防災・減災対策を推進していただきたい。
2 災害支援ベンダーの導入促進(お湯の供給ができる機器)
災害支援ベンダーとは、地震などの災害発生時に飲料の無料提供や、授乳や服薬等のためのお湯の提供ができる、自動販売機ならではの特性を生かした地域社会貢献型の機種で、設置場所は、緊急時の避難場所に指定されている公共施設、病院などであり、県としても市町村と連携し、災害支援ベンダーの導入を促進していただきたい。
3 防災士の育成支援
県では、防災士の育成に積極的に取り組む市町村を支援するため、地域の防災リーダー等が防災に係る資格を取得するために必要な受講料を市町村が助成する場合、その1/2を県が支援することとしているが、市町村独自で実施できていないところもあるため、県が防災士養成研修を実施するなど、主体的に取り組んでいただきたい。
4 防災センターの設置 < 新 >
東海、東南海、南海の3連動地震の発生の確率が高まっており、防災・減災対策及び防災意識の啓発は県政の最重要課題であり、平成30年7月豪雨災害の経験を後世に伝えるためにも、県民の防災学習の拠点として、防災センターを設置していただきたい。 5 私学助成の拡充 < 新 >
(1)私立高校の実質無償化の対象拡大
国の就学支援金の拡充により、私立高校の授業料について年収目安590万円までの世帯で実質無償化されるが、所得制限の横出し、多子世帯対応など、更なる対象拡大を検討されたい。
(2)専門学校への施設整備費の助成の拡充 < 新 >
6 岡山桃太郎空港へのコンセッションの導入 < 新 >
近隣空港でコンセッションの導入が進み、空港間競争が激化する中で、魅力を高め、利用される空港とするため、岡山桃太郎空港にコンセッションを導入されたい。
7 子ども見守り防犯カメラ設置支援事業の予算増額
子どもの安全・安心を確保するため、予算を増額されたい。
【環境文化部・保健福祉部関係】
1 新エネルギーの導入支援
新エネルギービジョンの目標値達成に向け、重点4分野の太陽光発電・小水力発電・木質バイオマスの利活用・EVの導入支援に十分な予算を確保していただきたい。
2 救急医療体制の充実
(1)ドクターヘリの運航時間の拡大
ドクターヘリによる救急救命効果を最大限に発揮させるため、ランデブーポイントの増設等により、ドクターヘリの運航時間を夜間にも拡大していただきたい。
(2)大人の救急医療電話相談事業(#7119)の創設
県民の急病に対する不安を解消し軽症患者の救急病院等への集中による救急担当医等の負担を軽減するため、大人を対象とした救急電話相談を実施していただきたい。
3 健康づくり対策 < 新 >
(1)中学生を対象としたピロリ菌検査の実施
中学生を対象としたピロリ菌検査を実施し、小児医療費公費負担制度により除菌治療を受けることにより、胃がんの予防を図られたい。
(2)小児医療費公費負担制度の拡充
助成対象年齢を中学3年生までに拡充されたい。
4 保育士の人材確保
保育士の資格取得のための修学資金の創設、処遇改善の実施徹底、県独自の処遇改善などにより、保育士の人材確保に取り組んでいただきたい。
5 真庭圏域への障害者就業・生活支援センターの設置
障害者就業・生活支援センターを真庭圏域にも設置していただきたい。
6 人工内耳体外装置の購入等に対する支援制度の創設
人工内耳の体外装置の買い替え時の助成制度を創設していただきたい。
7 不妊治療支援の充実
県独自に助成対象の拡大、年齢制限の引き上げなど、制度の充実を検討していただきたい。
【産業労働部関係】
1 観光振興の取組の強化
国土交通省の進めるゴールデンルートから「せとうち海の道」への連携、Wi-Fi環境の整備、黒島のバイオトイレの整備などに取り組んでいただきたい。
2 コンベンション誘致助成金の創設
県としてコンベンション誘致のための助成金を創設していただきたい。
3 IJUターンの促進による人材確保
奨学金の返還支援制度の拡充などにより、IJUターン就職の促進を図っていただきたい。
【農林水産部関係】
1 鳥獣害防止対策の推進
ジビエ料理等への利活用の促進のため、加工処理施設の県南地域への整備、さらには野生鳥獣の捕獲・流通・販売関係者などが一堂に会する日本ジビエサミットを本県に誘致し、さらなる鳥獣害防止対策を推進していただきたい。
2 農業用ため池の防災機能強化
国の農業用ため池の老朽化対策、耐震・豪雨対策工事やため池廃止工事等を積極的に活用し、ため池を地域防災施設として再生を図られたい。
【土木部関係】
1 土砂災害防止対策の着実な推進
特別警戒区域の早急な調査・公表、指定を行うとともに、ハード対策に必要な予算も確保し県民の命を守る土砂災害防止対策をソフト・ハード両面から着実に推進していただきたい。
2 路面下空洞調査の推進
安全で信頼性の高い道路交通の確保のため、路面下空洞調査を計画的に実施していただきたい。
3 国道2号線の渋滞解消に向けた対策の推進
岡山市から倉敷市に至る国道2号線の渋滞は日常化しており、通勤や通学などの日常生活だけでなく、物流などの経済的な問題にもなっており、国をはじめ関係機関と連携して早急な渋滞解消対策を進めていただきたい。
4 JR倉敷駅付近連続立体交差事業の推進 < 新 >
倉敷市と連携し事業推進に向けた取り組みを図られたい。
【教育庁関係】
1 自然体験学習の普及と充実(小学校長期宿泊活動推進プロジェクト)
県内の全小学校で3泊以上の宿泊体験活動が可能となるよう予算を増額していただきたい。
2 県立高等学校における肢体不自由生徒用のエレベーターの設置
圏域の中心である津山市の県立高等学校に、肢体不自由生徒用のエレベーターを設置していただきたい。
3 岡山県立岡山盲学校への幼稚部の設置
盲学校に幼稚部が設置されている都道府県が多く、視覚に障害のある児童に適切な療育を提供するため、本県においても早期に設置していただきたい。
4 公立夜間中学校の設置 < 新 >
夜間中学設置のニーズを的確に把握し、義務教育未終了者、不登校者、外国籍の者等の潜在的入学希望者に対応する公立夜間中学校を開設されたい。
【警察本部関係】
1 警察署並びに交番の建て替え整備の促進
県民の安全・安心を守る地域の拠点となる警察署並びに交番の老朽化などに対応し、建て替え整備を促進していただきたい。
2 交通安全施設予算の確保
信号機や横断歩道、キッズゾーン、県版ゾーン30など、交通安全対策のための施設整備に対する予算を拡充していただきたい。