平成21年2月4日
平成21年度予算要望書
公明党岡山県議団
知事にとって四期目初年度の平成21年度予算は、米国初の金融危機から始まった世界経済減速がますます深刻化し、雇用不安など県民生活に大きな打撃を与えている中での、予算編成作業になりました。 それは、構造的な巨額の収支不足を解消し、持続可能な財政構造を確立するため、「岡山県行財政構造改革大綱2008」を策定している本県では、景気回復・雇用創出など相反する取り組みになり大変難しい舵取りになるからであります。 ところで、今後の重要な景気対策となる、国の二次補正予算が、ようやく成立したが、今政局がらみで、その関連法案の成立が阻まれていることは、きわめて遺憾なことであります。県としては予算が成立した以上定額給付金などの事務的作業を速やかに進めるべきであります。 このような中で、私どもは、あくまでも弱い立場の人々の側に立ち、未来のための備えを忘れず取り組んでいく決意であります。 具体的には緊急の雇用対策、それを支える中小企業支援を軸にしながら、今だからできる、ムダを削り、次なる飛躍への基盤作りの投資に全力を傾けたいと思います。日本版グリーン・ニューディール政策が動き出しているように、世界の低炭素化競争の時代に、いち早く取り組み、景気回復の活路を見いだしてまいりたいと思います。 また、「子供を産み、育てたい岡山県」をめざし、子育て支援策の充実をはかり、「いじめ問題」に象徴される現代社会の歪みに、果敢に挑戦してまいります。 オバマ新アメリカ大統領の指摘するように、厳しい経済状況を悲観するのではなく、一人一人が、社会に責任を持ち、前向きに物事をとらえていくという、本来あるべき社会を取り戻すという、意気込みに共感するものであります。 知事のご努力に敬意を表しつつ、日頃の県民の要望をふまえ、更なる施策展開を要望するものであります。以下新年度予算案の編成に際し今後の県政充実のため要望をいたします。
総務部 ○岡山県財政構造改革プランの確実な実施 〇「新おかやま夢づくりプラン」の一層の展開 〇行財政改革の推進 〇総合防災対策の推進 〇私立学校の振興を図るための各種補助事業等の拡充 〇道州制(中四国州)実現へ一層の推進 〇水島コンビナートの安全対策の強化 〇首都圏イメージアップ事業の推進 〇ふるさと納税の推進 〇定額給付金制度の活用 ①スムーズな執行 ②市町村、商工団体、商店街との連携キャンペーやプレミア作り
企画振興部 〇「ケータイ電話」の不感地域対策事業の推進 〇県内デジタルデバイドの解消 〇ユビキタス社会の実現、ユニバーサル・デザイン(UD)の取り組み強化 〇中山間地域(過疎集落)の活性化対策事業の推進(庁内に中山間地域振興部署の新設) 〇国際貢献策の一層の推進 〇在岡山の外国人の暮らしやすい環境の整備 〇情報システム最適化事業の推進 〇中山間地域等特別支援事業の推進 〇ルネスホールの施設の拡充
生活環境部 ○ 太陽光発電施設 ① 個人住宅向け補助制度の創設 ② 企業向けへの補助充実 〇地球温暖化防止対策による低炭素社会の実現の推進 (ESCO事業推進、実施等) ○スポーツ振興の推進 ○ボランティア・NPO支援の推進 ○文化・芸術振興策の拡充 ①文化芸術大学生の奨学金制度の創設 ②郷土文化・芸術の振興 (1)郷原漆器の保存、継承 (2)下津井節の保存継承 (3)県重文-木下利玄の生家の保存 ○国民文化祭推進事業 ○男女共同参画施策の推進 (DV防止事業の推進-デートDVなど高校生への啓発) ○消費者被害防止の推進 ①悪質事業者の監視・指導・取締り。振り込め詐欺等被害の未然防止 ②食品表示適性化対策等 ③消費者センターの相談・普及啓発事業の拡充 ○希少野生動植物保護事業の推進 ○アスベスト対策の推進 ○資源循環型社会の形成推進(ゴミ減量とリサイクルの推進) ○産業廃棄物処理施設の整備推進 ○公共交通の安全対策と過疎地の路線確保 ①バス ②鉄道 ○安全・安心な岡山づくりを推進 ○児島湖ならびに県下河川の水質浄化推進 ○県下の町を流れる小川などの浄化の研究と対策 ○合併処理浄化槽設置整備事業の促進 ○ファジアーノ岡山の支援本部の庁内設置で地域発信
保健福祉部 〇地域医療提供体制の整備、充実(医師の確保など) 〇救急医療体制の整備、強化 ①メディカルコントロール体制の整備 ②救急医療情報(空ベッドなど)ネットワークの充実(専用職員補助) ○消防防災ヘリのドクターヘリとの連携による日常的な救急医療活動と災害時のフル活用。 (ドクターヘリ出動時の消防防災ヘリの出動、夜間など) 〇新型インフルエンザなど感染症対策の体制強化 (抗インフルエンザワクチンの備蓄、予防接種の補助等) ○ガン対策の推進(検診率の向上) ○乳がん検診の促進 マンモグラフィ整備拡大策 ○県主導による女性専門外来の整備と啓発 ○難病対策の推進 (単県補助対象難病の拡大、胆道閉鎖症の子どもたちの支援) ○単県医療費公費負担制度の継続と補助率の拡大 ① 岡山県老人医療費公費負担制度 ② 岡山県心身障害者医療費公費負担制度 ③ 岡山県乳幼児医療費公費負担補助制度 ④ 岡山県ひとり親家庭等医療費公費負担制度 ○メタボリックシンドローム対策などの推進 ○少子化対策の更なる推進 ①乳幼児医療費の公費負担制度のさらなる拡充 ②多子世帯への子育て支援の推進 ③学童保育事業の拡充 ④「子育てに熱心な企業」をつくる取り組みの推進 ⑤結婚対策事業の推進 ⑥多彩な保育事業の充実(県裁量型の認定こども園への補助制度創設等) ⑦児童虐待防止対策(生後4ヶ月までの全戸訪問) 〇市町村へ妊産婦検診費用の14回無料化の実施 ○不妊治療の推進 ○子供の安全対策 ①通学路の安全確保事業の拡充 ②CAPなど子どものエンパワーメント育成事業の継続拡大 (市町村の小中学校開催の補助と県立高校での実施) ○保育園の待機児童の解消推進 〇小児救急医療電話相談事業の継続、広報 ○特別養護老人ホーム等の施設整備の拡充 〇介護老人保健施設の運営費に関連して ①介護職員の待遇改善 ②報告書類の簡素化 ③医師・職員の研修制度の見直し ④介護サービス情報制度の見直し ○介護保険制度の着実な実施 ①孤立死防止対策の推進 ②介護予防サービス提供のための拠点整備や、介護予防サービスを提供する地域支援事業の推進や、認知症の方々・家族への支援体制の整備。 ○介護保険制度の着実な実施や孤独死ゼロ作戦 〇地域包括支援センターにホッと安心ダイヤル(高齢者・介護家族の電話相談)の開設 ○介護保険制度(保険料)の改定にともなう低中階層の軽減措置 ○国民健康保険事業に対する助成制度の充実 ○岡山県障害福祉計画の拡充 (工賃倍増計画の目標額の実現。通所、在宅サービスに対しての補助) ○発達障害者支援施策の拡充 ○食の安全・安心推進事業 (輸入食品の検査の強化、加工食品の原産地表示等) ○脱法ドラッグ対策の強化
産業労働部 ○雇用対策の推進 ①緊急雇用創出事業・ふるさと雇用再生特別交付金事業による県下の雇用の確保・創出 ②若者の就職支援、ニート(サポステの強化)・フリーター対策の促進 ③女性の再雇用対策の推進 ④団塊世代対策の推進 ⑤障害者雇用の確保・創出 ⑥リストラなどによる失業者の住宅確保支援(土木部・総務部) ○中小企業支援 ①融資など資金繰り支援の充実 ②企業の転業などへの支援 〇県内の中小零細・下請け企業が持つ資源の活用とその支援策の充実 ○OB人材の蓄積された経験や技術の活用 ○玉島ハーバーアイランド等への企業誘致促進 ○「観光立県おかやま」の推進 ①瀬戸内海沿岸の県と連携した誘客促進 ②「地域発観光」の推進 ③高速道路料金の大幅値下げを契機とした瀬戸大橋の利用促進 ④観光立県推進のため、観光連盟との連携強化 〇県内企業の海外進出への支援(アジア諸国など) ○岡山県独自で成功報酬型の研究開発補助金の創設 ○ミクロものづくり(超精密生産技術)分野の新事業育成と集積促進 〇バイオ・環境関連産業の育成(セルロース超微粉砕技術の確立等)
農林水産部 〇森林保全再生事業の推進 〇間伐材などの利用促進のためのペレットストーブの普及 〇ニューフォレスター育成事業の推進 〇新規就農者等の確保・育成事業 ○園芸作物の生産振興 〇食料自給率の向上と地産地消の推進 〇耕作放棄地対策など優良農地の確保 〇バイオディーゼル燃料(BDF)の普及推進支援 (使用に係る軽油引取税税に関する減免措置について) 〇農業用ため池の安全管理および対策 〇ノリの色落ち対策の推進 〇ブランド品目の生産振興と販路拡大 〇地域営農適応技術実証事業の推進 〇農業経営支援-資金対策の推進 〇集落営農の組織化・法人化 〇農産物の有害鳥獣害防止対策の推進 〇河口域の環境改善事業の推進 〇京都議定書森林吸収目標達成のための森林整備 ○ 農地法改正に伴う企業参入の促進
土木部 〇あんしん賃貸支援事業のとりくみ 〇児島唐琴地区の養浜関連事業の促進 〇汐入川の浚渫(倉敷市、川鉄北門水門) 〇アダプト事業の促進(公園管理委託事業などの見直し) 〇旭川河川敷きの早期改修 〇笹が瀬川河川の早期改修 〇砂川の早期改修 〇全国都市緑化フェアの成功 〇県管理道の市への権限移譲の推進 〇高梁川新橋梁の建設促進 〇港湾施設用地(玉島地区造成)等の整備促進 〇安全で歩きやすい歩道、建築物のUD化の促進 〇岡山市灘崎地域と玉野市東西高崎地区の浸水対策 〇地震・豪雨・竜巻などへの早期対策・観測体制の強化 〇台風災害に伴う高潮対策事業の促進 〇都市の公共交通機関の機能強化 〇県施行道路・街路事業の推進 〇自転車道の整備 〇県・市施行の河川・海岸の改修及び砂防関係事業の推進 〇橋梁・トンネルの調査と補修の推進 〇重要港湾岡山港の整備推進 〇国道2号高架事業の促進 〇JR倉敷駅の連続立体交差事業の推進 〇公営住宅整備方針の策定 〇老朽化住宅(原尾島県営住宅団地など)の建替え 〇市民生活道路の充実 〇高速道路・瀬戸大橋の通行料金割引後の利用促進 ○「美しい川の復帰」のため旭川、吉井川を初め県下河川の水質浄化 ○県下河川や瀬戸内海のゴミ対策の促進
教育委員会 ○確かな学力の向上 ①学力向上対策の推進(岡山県学力向上アクションプラン等) ②小1グッドスタート支援事業の継続 ③少人数学級、習熟度別指導の推進 ④教員の授業力向上施策~実践のため学校と行政や大学等の連携支援 ⑤中学生の理数難問挑戦への支援 ○活力ある学校づくり 中高一貫校教育の充実 ○特別支援教育の推進 ① 子供達の状況に応じたきめ細かい支援 ② 特別支援学校の教育体制の整備 (1)受入対象児童の拡大 (2)誕生寺養護学校の校舎整備 (3)高等特別支援学校の倉敷地域への新設 (4)倉敷地域へ特別支援学校の新設 ③特別支援学級等の充実 (1)特別支援教育の支援員の配置 ④適応指導教室の充実 ○いじめ、不登校等への対応 ① いじめ問題への対応強化 ② 不登校訪問指導員(教育における支援員と保健士等の相互連携) ③ スクールソーシャルワーカーの円滑な導入 ④ 子供の命綱になりうる相談体制の充実 ⑤ 学校での携帯電話対策 ○豊かな人間性・社会性の育成 ① 健全な社会人になるための食育、保育、農業などの体験学習の充実 ② 子ども農山漁村交流プロジェクトの円滑な導入 ③ 学校による青少年の島の活用 ○学校・家庭・地域の相互連携 ① 放課後子ども教室推進事業 ② 学校支援地域本部事業の拡大 ③ 食育をはじめ親学(親業)の普及・研究 ④ モンスターペアレントに対する学校への支援 ○学校等の安全確保 ①学校施設の耐震化 (1)県立学校の耐震化と老朽化対策の推進 (2)市町村立学校の耐震化促進に向けた指導 ②地域ぐるみの学校安全体制の推進 (1)学校・通学路の安全確保 (2)通学路安全マップの普及 (3)通学路の街灯整備の推進 ○伝統文化の推進 ① 国指定文化財等の保存活用事業 ② 県立博物館のUD化の促進 ③ 世界文化遺産登録の推進 ○その他 ① 教員のメンタルヘルスの推進 ② 小中学校、高等学校の教室に扇風機などの設置補助 警察本部 ○刑法犯罪の検挙率向上による安心安全のまちづくり ○空交番対策と交番勤務員不在時対策事業の推進 ○自転車の窃盗増加などにみられるモラル低下への対策 ○自転車道の確保など安心して歩けるまち作りの推進 ○県民と協力しての安心安全まちづくりのさらなる推進 〇学校等における子どもの安全対策等支援事業 〇高齢者の交通安全対策の推進 〇ITを活用した警察情報の高度化 ○暴走族対策の推進 ○訪日外国人の犯罪対策 ○薬物乱用対策 ○サイバー犯罪防止対策の推進 〇交通危険箇所の計画的な解消 ○信号機のLED化推進と予算の充実 ○スーパー防犯灯などの整備 〇警察署耐震改修工事 〇大正町官舎跡の整備推進